茨城大学大学院・理工学研究科 博士課程 量子線科学専攻

海野先生による著書「Structures and Functions of Peptidylarginine Deiminases」が出版されました

その他

海野 昌喜(化学・生命コース)


論文のタイトル

Structures and Functions of Peptidylarginine Deiminases


著者名

Masaki Unno, Kenji Kizawa, Hidenari Takahara


本のタイトル

Protein Deimination in Human Health and Disease


出版社

Springer


研究概要

生体内で起こるシトルリン化は、タンパク質中のアルギニン残基が脱イミノ化されシトルリンに変換される翻訳後修飾反応の一つである。この翻訳後修飾により、アルギニンのプラスの電荷が中性になり、タンパク質分子中や分子間の相互作用が変化するため、様々な生理機能のシグナルとなっている。そのため、PADは多くの病気とも関連していることがわかっている。

この反応を触媒するのが、タンパク質脱イミノ化酵素(peptidylarginine deiminase; 通称PAD)である。ヒトなどの哺乳類にはPADのアイソザイムが5種類備わっており、現在のところ、PAD1, PAD2, PAD4の構造が報告されている。

また、歯周病菌にもPADは存在しており、その構造もわかってきた。今回の総説では、それらの立体構造について概説し、アイソザイム間の違いやヒトと歯周病菌のPADの構造と機能の相関や違いについて、原子レベルで議論している。